葛根湯の正しい飲み方|風邪のひき始めに効かせる“タイミング”とコツ

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薬剤師 アッキー

薬剤師アッキーです! 漢方薬のスペシャリスト!オーソモレキュラー療法にも精通し、食事・サプリメント・ライフスタイルなど、多方面からあなたの健康をサポートいたします。はる薬局グループのInstagramを担当しておりますので、DMからのお問い合わせもお待ちしています!


「風邪かな?と思ったら葛根湯」。そんなイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
落語にも、頭痛でも腹痛でも、どんな患者さんにも「葛根湯をおあがり」とすすめる「葛根湯医者」というお話があるほど、昔からおなじみの漢方薬です。

でも実は、葛根湯が力を発揮するのは、風邪のごく初めの“あるタイミング”だけ。
今日はその見極め方と、効果を引き出す飲み方をご紹介します。

 

葛根湯が合うのは「ゾクッとして、汗が出ていない」とき

漢方では、風邪のひき始めを「寒さの邪気(風寒)が体の表面に入り込んだ状態」と考えます。
体の表面を守るバリア「衛気(えき)」が、寒さに押し負けたところです。

葛根湯は、体を温めて汗をじんわり出させ、この邪気を外へ追い出す処方。
だからこそ、次のようなひき始めのサインがそろっているときに向いています。

  • ゾクゾクと寒気がする
  • 汗は出ていない
  • 首すじや肩がこわばる
  • 頭痛や軽い発熱がある

反対に、すでに汗をかいている、喉が真っ赤に腫れて痛い、熱が上がりきって数日たった……という段階では、葛根湯は合わないことが多いのです。
「葛根湯が効かない」と感じた方は、もしかするとタイミングやタイプが違っていたのかもしれません。

 

風邪にも「タイプ」がある ― タイプ別に使われる漢方

  • ゾクッと寒気・汗なし・肩こり → 葛根湯
  • 寒気はあるが、汗がじんわり出ている・体力がない → 桂枝湯(けいしとう)
  • 喉の痛みから始まる・ほてり・口が渇く → 銀翹散(ぎんぎょうさん)
  • 吐き気や下痢など胃腸の症状が中心 → 藿香正気散(かっこうしょうきさん)

同じ「風邪」でも、体の反応によって合う漢方はまったく違います。これが漢方の面白いところです。

 

効果を引き出す、葛根湯の飲み方のコツ

① 「ゾクッ」としたら、すぐに ひき始めの数時間が勝負。寒気を感じた時点で飲むのがポイントです。

② お湯に溶かすか、白湯で飲む 冷たい水より、温かいお湯で。顆粒ならお湯に溶かして飲むと、体の温まり方が違います。

③ 飲んだら温かくして休む へ~と思う話ですが、葛根湯と同じ仲間の漢方の古典には、「飲んだあとに温かいおかゆをすすり、布団をかけて休む」と書かれています。温かいおかゆやスープ、ねぎ・生姜入りの汁物は、薬の働きを後押ししてくれます。

④ 汗がじんわり出たら、飲み続けない 汗をかいて体が楽になってきたら、それは邪気が出ていったサイン。だらだら飲み続ける薬ではありません。2〜3日飲んでもよくならない場合は、タイプが合っていない可能性もあるので、いったん相談を。

 

飲む前に気をつけたいこと

葛根湯には「麻黄(まおう)」という生薬が含まれています。
麻黄には体を興奮させる作用があり、動悸や不眠、血圧の上昇などが起こることがあります。
高血圧や心臓の病気、甲状腺の病気がある方、ご高齢の方、ほかのお薬を飲んでいる方は、使う前に必ず薬剤師や医師にご相談ください。

また、高熱が続く、息苦しい、強い喉の痛みがあるなどの場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

 

今日からできる、小さな一歩

  • 首にストールを巻いて、「風邪の入り口」とされる首すじを冷やさない
  • ゾクッとしたら、ねぎと生姜の味噌汁やスープで温まる
  • 常備薬は「自分の風邪のタイプ」に合わせて選んでおく
  • 寒気を感じた日は、無理せず早めに休む

“なんとなく葛根湯”から、“自分に合う漢方をタイミングよく”へ。
この冬の風邪対策に、ぜひ役立ててください。どの漢方が合うか迷ったら、お気軽に薬剤師へご相談くださいね。