
薬剤師 國松玉紀(たまちゃん)
長年薬剤師として、地域の皆様の健康をサポートしてきました。 私自身も子育て真っ只中、更年期を経験しているからこそ、 同じように悩まれている方々の気持ちに深く共感できます。 ホルモンバランスの変化による体調不良や、心の揺れ動きなど、 一人で抱え込まず、ぜひお話を聞かせてください。 自身の経験に基づいたアドバイスで、皆様の心と体の健康をサポートいたします。
「エコノミークラス症候群」をご存知かと思います。
飛行機のエコノミークラスのようなあまり動きの取れない所で、長時間座ったままの姿勢を続けることにより生じる症状です。
正しくは、深部静脈血栓症(DVT)とそれに伴う肺塞栓症の事をいいます。
➀深部静脈血栓症とは?
深部静脈血栓症とは、脚の深いところを走る静脈に血栓ができてしまう状態です。
血液は、常に流動することにより、血栓を作らずサラサラを保ちますが、長時間おなじ姿勢でいると、特にふくらはぎの血流が停滞して、血栓を形成してしまいます。それが、深部静脈血栓です。
②深部静脈血栓症の症状は?
症状として現れない事もあります。
片脚のみ、腫れる、痛む、火照り、熱感、赤くなる、皮膚の色が変わる、などの症状が出ます。
③深部静脈血栓症はなぜ怖いの?
出来た血栓が、血流にのって、肺塞栓症を起こす危険があるからです。
症状は、突然の息苦しさ、胸の痛み、動悸、めまいなどです。命に関わることもあり、このような症状が出たら、速やかな救急搬送が必要になります。
④深部静脈血栓症を防ぐためには
・長時間座ったままにしない。トイレにいく、30分置きに立ち上がるなど。
・座ったまま足首を動かす。
・なるべく歩くようにして、ふくらはぎの筋肉を落とさない。
・締め付けの強い服を避ける。
・水分をしっかりとる。
⑤ご高齢の方に心配なこと
あまり歩かなくなって活動量が低下したご高齢の方は心配です。
ふくらはぎの筋ポンプ作用が弱くなり、静脈血が停滞しやすいので、血栓のリスクが高くなります。
ベット上の安静の方車椅子の方なども血流の遅れが深部静脈血栓のリスク因子となります。
⑥下肢静脈瘤と混同しないで
下肢静脈瘤は、表面に近い静脈の逆流を防ぐ弁が働かず、血液が逆流してうっ帯することにより、血管が膨らんでコブになっている状態です。
両足に症状が出やすいです。
⑦下肢静脈瘤は深部静脈血栓症のリスクとなる?
下肢静脈瘤があると深部静脈血栓が出来るというわけではありません。
下肢静脈瘤があるということは血流の停滞があるので、血栓を作ることも考えられますが、
「静脈瘤がない人よりも血栓を作る可能性が高い」程度の認識で大丈夫です。
・軽度の静脈瘤
・よく歩く
・長時間同じ姿勢ではない
・血栓の既往がない
ならば、過度に心配する必要はありません。
⑧深部静脈血栓を早期に発見が大切
深部静脈血栓は、肺塞栓を起こす前に受診して対応する事が大切です。
注意が必要な点は、
・片脚のみの突然の痛み、腫れ、赤み。
(治まることもありますが血栓がつまるリスクがありますので安心してはいけません)
・日頃から長時間の座位
・手術後
・妊娠、出産後
・エストロゲン製剤の服用
・脱水状態
・肥満
・高齢
など。
日頃からの注意が、深部静脈血栓を防ぐために有効です。ふくらはぎの筋肉、大切ですね!