アトピーは「栄養」で変わる?~ かゆみ・炎症を内側からケアするための栄養の話~

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薬剤師 アッキー

薬剤師アッキーです! 漢方薬のスペシャリスト!オーソモレキュラー療法にも精通し、食事・サプリメント・ライフスタイルなど、多方面からあなたの健康をサポートいたします。はる薬局グループのInstagramを担当しておりますので、DMからのお問い合わせもお待ちしています!

はじめに

アトピー性皮膚炎(アトピー)は、かゆみと炎症が繰り返す慢性の皮膚病です。薬でいったん良くなっても、またぶり返すそんな経験をされている方は多いのではないでしょうか。

 

実は、アトピーは「皮膚だけの問題」ではありません。腸の状態・免疫のバランス・栄養素の過不足など、体の内側の環境が大きく関わっています。

 

このコラムでは、「なぜアトピーが起きるのか」を体の中から理解し、食事や栄養素でできるケアについてわかりやすくお伝えします。

 

 

なぜアトピーが起きるの? 体の中の3つの原因

アトピーを薬だけで抑えても再発しやすいのは、体の中に「炎症が起きやすい環境」があるからです。その主な原因が次の3つです。

 

原因腸のバリアが弱くなっている

腸は「免疫の中心地」です。体の免疫機能の約70%は腸に集まっています。

 

腸の粘膜が傷ついて穴があくと(これを「腸もれ」と呼びます)、消化しきれなかった食べ物のカスや細菌が血液の中に入り込んでしまいます。すると免疫が「異物が入った!」と過剰に反応し、全身に炎症が広がります。アトピーの多くはこの腸の問題と深く関係しています。

原因免疫のバランスが崩れている

免疫には「細菌などと戦う免疫」と「アレルギーに関わる免疫」の2種類があり、通常はバランスを保っています。

 

アトピーでは「アレルギーに関わる免疫」が過剰に働きすぎた状態になり、アレルギー反応が止まらなくなります。腸内環境の乱れや特定の栄養素の不足が、このバランスの崩れを引き起こします。

 

原因活性酸素が増えすぎている

体の中では常に「活性酸素」という有害な物質が作られています。通常はビタミンCなどの抗酸化物質がすぐに消してくれますが、バランスが崩れると皮膚の細胞が傷つき、炎症が悪化します。

ストレス・睡眠不足・加工食品・喫煙などが活性酸素を増やす主な原因です。

 

まとめると、アトピーは「腸のトラブル免疫の過剰反応炎症が慢性化」という流れで起きています。この流れを食事や栄養素で整えることが、体の内側からのケアになります。

 

アトピーに関係する8つの栄養素

以下の栄養素は、アトピーの改善に特に重要とされているものです。それぞれの働きと、多く含まれる食品を紹介します。

 

      【ビタミンD 免疫を調整し、皮膚のバリアを強くする (魚・卵・日光浴)

      【オメガ3脂肪酸(EPADHA)】 炎症を鎮める「良い油」として働く (青魚・亜麻仁油・魚油サプリ)

      【亜鉛】 皮膚の細胞を修復し、免疫を正常化する (牡蠣・赤身肉・ナッツ)

      【ビタミンA 皮膚の表面を健康に保つ (緑黄色野菜・レバー・卵)

      【プロバイオティクス(乳酸菌)】 腸内環境を整え、免疫バランスを改善する (ヨーグルト・味噌・発酵食品)

      【グルタミン】 腸の粘膜を修復し、腸バリアを守る (肉・魚・大豆製品)

      【ビオチン(ビタミンB7)】 脂肪の代謝を助け、皮膚を健康に保つ (卵・ナッツ・レバー)

      【ビタミンCE 活性酸素を除去し、炎症の悪化を防ぐ (柑橘類・ブロッコリー・ナッツ)

 

各栄養素をもっと詳しく見てみよう

ビタミンD ── 皮膚のバリアを守る

ビタミンDは骨を丈夫にする栄養素として知られていますが、免疫を調整する働きも非常に重要です。

 

皮膚には「フィラグリン」という外からの刺激をブロックするたんぱく質があります。ビタミンDはこのフィラグリンの量を増やし、皮膚バリアを強くしてくれます。また、皮膚で「抗菌ペプチド」を作り、ばい菌の感染を防ぐ役割もあります。

 

日本人の多くはビタミンDが不足しています。魚を週3回以上食べること・晴れた日に1530分ほど日光を浴びることを意識しましょう。

 

オメガ3脂肪酸(EPADHA── 炎症を鎮める「良い油」

油には「炎症を促進する油」と「炎症を抑える油」の2種類があります。

 

青魚に含まれる EPADHA(オメガ3)は「炎症を抑える油」の代表です。一方で、スナック菓子や揚げ物に多いオメガ6系の油(サラダ油など)は取りすぎると炎症を悪化させます。現代の食生活ではオメガ6の摂取量がオメガ3の数十倍になっているとも言われており、このアンバランスがアトピーの悪化につながっています。

 

目安:週3回以上、サバ・イワシ・サーモンなどの青魚を食べましょう。魚が苦手な方は、魚油(フィッシュオイル)サプリメントも選択肢のひとつです。

 

亜鉛 ── 皮膚を修復するミネラル

亜鉛は皮膚の細胞を作り直すのに欠かせないミネラルです。不足すると傷の治りが遅くなり、炎症が長引きやすくなります。アトピーの方は皮膚から亜鉛が失われやすく、また汗でも排出されるため、特に意識して補いたい栄養素です。牡蠣・赤身肉・ナッツ・豆類に豊富に含まれています。

 

注意:亜鉛を取りすぎると銅の吸収が妨げられます。サプリメントを使う場合は医師・栄養士に相談しましょう。

 

プロバイオティクス(乳酸菌・ビフィズス菌)── 腸を整えて免疫を変える

「腸の中の細菌バランス(腸内フローラ)」が乱れると、免疫が過剰反応しやすくなります。乳酸菌やビフィズス菌などは、腸内フローラを整えて免疫バランスを改善します。毎日の食事にヨーグルト・味噌・ぬか漬けなどの発酵食品を取り入れることが、腸ケアの第一歩です。

 

グルタミン ── 腸の「のり」になるアミノ酸

グルタミンは腸の粘膜細胞のエネルギー源になるアミノ酸で、「腸もれ」の修復に特に重要な役割を果たします。ストレスが続いたり激しい運動後などに不足しやすくなります。肉・魚・大豆製品から食事でしっかり補うことが大切です。

 

ビタミンCE ── 活性酸素を消す抗酸化コンビ

ビタミンCEは「抗酸化ビタミン」と呼ばれ、体の中の活性酸素を消す働きをします。2つはチームとして働くため、どちらか一方だけでなく一緒に摂るのが理想的です。ビタミンCは水溶性なので毎日補給が必要で、柑橘類・ピーマン・ブロッコリーに多く含まれています。ビタミンEはナッツ・アボカドに豊富です。

 

食事で今日からできること

減らしたい食品

次の食品は腸や免疫に悪影響を与え、アトピーを悪化させやすいため、なるべく控えましょう。

 

      砂糖・甘い清涼飲料水(腸内の悪玉菌を増やす)

      白いパン・白砂糖(血糖値の急激な上下を引き起こす)

      スナック菓子・揚げ物・マーガリン(炎症を促す油が多い)

      加工食品・インスタント食品(添加物が腸のバリアを傷める)

      アルコール(腸のバリアを直接傷つける)

 

増やしたい食品

      青魚(サバ・イワシ・サーモン:週3回以上を目標に)

      緑黄色野菜(ブロッコリー・ほうれん草・にんじんなど)

      発酵食品(ヨーグルト・味噌・ぬか漬け・納豆)

      良質なたんぱく質(肉・魚・卵・豆腐)

      ナッツ類(くるみ・アーモンド:ひとつかみ程度を毎日)

 

食物アレルギーと除去食について

アトピーの一部は特定の食べ物(卵・乳製品・小麦など)に反応している場合があります。「もしかしてこの食べ物が原因かも?」と思ったら、自己判断で除去するのではなく、まずはアレルギー専門医に相談することをお勧めします。除去しすぎると栄養不足になり、かえって体に悪影響が出ることがあります。特にお子さんの場合は成長に影響することもあるため、必ず医師の指導のもとで行いましょう。

 

今日から始める3つのステップ

「何から手をつければいいか分からない」という方に向けて、取り組みやすい順番で整理しました。

 

1.     まず食事を見直す

 砂糖・加工食品を減らし、青魚・発酵食品・野菜を増やすことから始めましょう。完璧にやろうとせず、「一つだけ変える」ところからでOKです。

 

2.     腸を整える習慣をつける

 毎日の食事に発酵食品を取り入れ、食物繊維(野菜・豆類・海藻)を意識して食べましょう。腸の環境が整うと、免疫のバランスも少しずつ改善されていきます。

 

3.     36ヶ月続けて、変化を感じる

 食事や栄養によるケアは、すぐに効果が出るものではありません。体の内側から変わるには時間がかかります。焦らず36ヶ月を目安に続け、かゆみや肌の状態の変化を観察してみましょう。

 

まとめ

アトピーは薬で症状を抑えるだけでなく、「なぜ炎症が起きるのか」という体の内側の原因に目を向けることが、再発を防ぐカギになります。

 

腸を整え、炎症を起こしやすい食習慣を見直し、皮膚の修復に必要な栄養素を食事から補うことは、薬に頼りすぎない体づくりへの第一歩です。

 

大切なのは「みんなに良いとされるものを闇雲に試す」のではなく、「自分の体の変化を観察しながら、無理なく続けられる変化を積み重ねる」という考え方です。

 

免責事項:本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、医療上の診断・治療の代わりになるものではありません。アトピーの症状が続く場合や栄養補充を検討する場合は、必ず皮膚科医・アレルギー専門医、または管理栄養士にご相談ください。