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薬剤師 たまちゃん

長年薬剤師として、地域の皆様の健康をサポートしてきました。 私自身も子育て真っ只中、更年期を経験しているからこそ、 同じように悩まれている方々の気持ちに深く共感できます。 ホルモンバランスの変化による体調不良や、心の揺れ動きなど、 一人で抱え込まず、ぜひお話を聞かせてください。 自身の経験に基づいたアドバイスで、皆様の心と体の健康をサポートいたします。

 

アレルギーと腸内細菌についてお話します。

 

近年、2人に1人が花粉症であり、アレルギー体質の方がとても増えています。

アレルギー体質になるかならないかは、乳幼児期の環境が関わっているようです。

有力な説としては、乳幼児期の過度な清潔環境や、抗生物質やワクチンなどによる感染抑制により、免疫の育ち方が変わった事が原因と言われています。

細胞免疫のヘルパーT細胞にはタイプ1Th1)とタイプ2Th2)があります。Th1は細菌やウイルスの排除、Th2はアレルギー反応の働きを持ちます。

生まれた時はTh2優位ですが、細菌やウイルス感染を経てTh1が育つことにより、Th1/Th2のバランスが保たれ、健康な状態になります。

近年の生活環境ではTh1の成長が抑えられ、Th2優位のままとなり、アレルギー体質となってしまう、と考えられています。

 

腸内細菌が、これらヘルパーT細胞や、制御型ヘルパーT細胞(Treg:過剰な免疫を抑える)の働きに影響を与える事がわかっています。

アレルギー体質を改善させるには、いかにTh1Tregを誘導できるか、ということになります。

 

まず健康を維持するためには、多様な腸内細菌叢を保つ事が大切、と言えます。

腸内環境と健康の関係は大変複雑なため、特定の菌を取り入れる事で、病気が改善する、ということではありません。

 

その中で、アレルギー改善を目指すとすれば特に、以下の菌に注目してみるとよいかもしれません。

酪酸産生菌 Treg誘導、Th2抑制、酪酸産生

ビフィズス菌 酢酸産生により腸内PH低下

乳酸菌 Th1刺激、Th2抑制

 

 

また、腸内細菌の代謝産物である短鎖脂肪酸(酪酸、プロピオン酸、酢酸など)は、生体内で様々な良い作用をすることがわかっています。

 

短鎖脂肪酸の役割

免疫調整作用

抗炎症作用

腸管バリア作用

代謝促進作用  

 

などです。

 

腸内細菌が短鎖脂肪酸を作るためには、水溶性食物線維(玉ねぎ、ゴボウ、大麦、冷ごはんなど)や難消化性糖質(フラクトオリゴ糖、レジスタントスターチなど)が必要です。

 

つまり、

「多様な腸内細菌+水溶性食物線維や難消化性糖質」

健康な身体を目指す腸活となるわけです。

 

 

腸内細菌については、様々な機関で多くの研究がされていて、論文も多数出ていますが、一概に説明できるものではなく、エビデンスが確立するまでには至っていません。

また、腸内環境を整える事が、治療や薬の代替にはならないこともお伝えします。

 

ですが、今の健康状態を底上げするためには、大いに期待できそうな情報が揃ってきています。

積極的に腸活を取り入れて、身体の変化を感じていけたら嬉しいですね。