在宅医療って??

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薬剤師 微熱

在宅業務担当しています。音楽と自然が大好きです。好きなことには熱中するタイプで、最近ピアノを始めました。健診でコレステロール高めと指摘されるお年頃ですが自転車で毎日駆け回っております。人生の最期を迎えるその時に、「いい人生だった」と言えるように過ごしたいと思っています。

在宅医療って?

☆自分らしく生きるために



皆様こんにちは!私は在宅業務を担当している微熱です。在宅医療って何だろうと興味を持ってもらえるように、今日は私が在宅医療に関わるきっかけになった出来事を紹介したいと思います。

以前病院で働いていた頃、担当していた患者さんからよく耳にする言葉がありました。

「家に帰りたい」

でもその願いとは裏腹に、

「今帰って来られても面倒見られない・・・何とか入院させてもらえませんか」

と訴えるご家族の思いもひしひしと感じました。

私自身も小学6年生の頃、父親が脳出血で倒れて入院した経験があります。当時40代の働き盛り、一家の大黒柱が不在でも私が大学まで入って薬剤師になれたのは母のおかげだと思っています。母は常に明るく強い人で、私に心配をかけないようにしていたのだと思いますが、父に何が起こったのか理解したのは倒れてから少し経ってからのことでした。病室のベッドで横になっている父を見た時、普段とあまりに違う姿に涙が溢れたことを覚えています。

父はお酒と釣りと車が大好きな人で、退院して「今日くらいはいいでしょう」と母が差し出したビールをゴクゴクと飲み干し「久しぶりに飲むビールはおいしいなあ」と顔をくしゃくしゃにして笑っていたことが今でも記憶に残っています。麻痺で右半身がうまく動かせなくなっても、仲間に助けてもらいながら趣味の釣りや車の運転もできるようになりました。

我が家の場合は幸いにも在宅支援を受けずに自宅に帰ることができました。今は定期的な通院をして体調管理をし、大好きなお酒を嗜みながら母と二人でどうにか暮らしています。

もし身近な人やご自身が病気や事故等で支援が必要になった時、大切なのは

最期まで自分らしく過ごせること

だと私は思います。人は皆助け合いながら生きています。住み慣れた場所で、大切な思い出や大好きな人達とこれから先もずっと一緒に暮らしたいと思うのなら、私達も少しお役に立てるかもしれません。担当しているお一人お一人に可能な限り寄り添い、自分に何が出来るだろうということを考えながら、時には薬以外のことでお話が弾む日もあったりして(笑)自分が経験したことのない世界を患者さんから学ばせて頂き、その方を通じご家族やケアマネージャー、医療従事者、ヘルパーさん等他職種や近所の方々、地域の方々と交流できるこの仕事にとても魅力を感じています。

ご自身のこと、ご家族のこと、身近な人のこれからのこと。ちょっと聞いてみたいなと思ったら、いつも薬局の近くで自転車に乗って駆け回っていますので、どうぞ遠慮なくお声がけ下さい☆