青魚効果~EPAとDHAの働き~

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薬剤師 たまちゃん

長年薬剤師として、地域の皆様の健康をサポートしてきました。 私自身も子育て真っ只中、更年期を経験しているからこそ、 同じように悩まれている方々の気持ちに深く共感できます。 ホルモンバランスの変化による体調不良や、心の揺れ動きなど、 一人で抱え込まず、ぜひお話を聞かせてください。 自身の経験に基づいたアドバイスで、皆様の心と体の健康をサポートいたします。



EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、青魚の脂に含まれる成分で、オメガ3系脂肪酸です。混同されやすいですが、どちらも特徴が異なり、代替にはなりません。

 

EPAもDHAも体内で合成されにくいため、食事から積極的に摂取することが推奨されます。

 

*EPAの働き

・血小板凝集抑制作用

血小板とは、傷口を塞ぐために血液を固まらせる役割を持ちますが、血栓形成の原因にもなります。EPAは、血小板凝集を抑制します。

 

・中性脂肪を下げる

EPAは肝臓での中性脂肪合成を抑制すると共に、血液中に送り出す作用も防ぎます。

 

・抗炎症作用

血管の炎症を防ぐので、動脈硬化を防ぎます。

 

これらの働きから血管の整備役と言われ、心筋梗塞や脳梗塞などの血管イベントリスクを減らす効果があります。

 

*DHAの働き

・脳の細胞膜を構成する重要な成分

脳の脂質の割合は50%〜60%ですが、そのうち10〜20%はDHAで構成されます。特に大脳皮質や海馬に多く含まれ、学習や記憶を支える成分と考えられています。

 

・網膜細胞に含まれる

網膜には多くのDHAが含まれています。視機能の維持に重要と考えられています。

 

・神経細胞膜に含まれる

神経膜のオメガ3脂肪酸の大半がDHAです。神経機能の維持に重要と考えられています。

 

 

どちらも健康維持に大切な魚由来のオメガ3系脂肪酸ですが、役割が異なります。EPAは血管の健康に働く成分、DHAは脳や網膜や神経を構成する成分であり、それぞれで役割を補填できるものではありません。

青魚を積極的に取り入れることが健康維持に大切な事であることが、頷けます。

 

これらの働きから、大人になってからEPA、発達期の子どもにはDHA、を意識的に取り入れる事が好ましいと考えられています。

 

 

ところで、医薬品としてEPA製剤はあるが、DHA製剤がないのはご存知でしょうか。

それは、臨床試験で結果が得られたかどうかの違いなのです。

 

EPA製剤については、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管イベントに対する抑制効果について、数多くの大規模臨床試験によって実証されています。

EPA単独高濃度で心血管イベントリスクを25%下げた、スタチン(高脂血症薬)との併用で冠動脈イベントを19%下げたなど、有意な結果が出ています。

ただし、用量や純度によって有意差が認められない試験もあり、高濃度高純度のEPAにより効果が期待できると考えられます。

 

一方、DHAについても、記憶力や認知機能への効果を期待して、様々な臨床試験が行われてきました。ところが、残念ながら、DHAの治療効果としては有意な結果が得られませんでした。

 

このため、EPA製剤は医薬品として効果を認められているのに対し、DHAは医薬品として効果が認められていません。

 

EPA製剤は、青魚の脂ですから、身体への負担も少なく、有効な製剤としてよく使われています。サプリメントではなく医薬品なので、治療効果を期待できる十分な濃度を有しています。

 

DHAは、サプリメントが多く販売されています。脳や神経、網膜の主要な構成成分であるため、しっかり摂るべき脂肪酸であることに違いはありません。

治療効果は期待できませんが、健康維持のために食事やサプリから積極的に摂ることは推奨されると言えるでしょう。